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白夜の官能小説

官能小説、アダルト小説のようなものを、あくまで趣味で書いています。あくまで趣味なので、厳しいことは言わないでね。

「大富豪、時々探偵。 ~放蕩夫にお仕置きを~」22

日本に戻ると、成田からタクシーで高速を飛ばし、約束の時間ぎりぎりにホテルのロビーに着いた。仁科瑞穂が紅茶を飲んで待っていた。
瑞穂は高価そうな艶やかな柄の着物に身を包み、髪をアップにして、涼しい瞳で日本庭園を眺めていた。その姿は、昨日まで一緒だったハーフのようにエキゾティックな雪乃とは、まるで好対照だ。

ハワイでの最後の日、雪乃は結局のところ金を受け取らなかった。
「剣之助さん、ハワイで罪ほろぼししてくれて、本当にありがとう。だから、罪ほろぼしはもうこれで充分。その上に3000万円なんて受け取ったら、バチが当たっちゃうわ。」
「わかった。じゃあ500万円置いておくから、ホテルを出る時にこれで支払って。」
「ありがとう、剣之助さん。日本に帰ったら連絡します。その時は、お帰り!って、抱きしめてね!」
そのせいで、今日もこうして現金入りの重たいバッグを持ち続けている。







ホテルのロビーでは、瑞穂が大金入りのバッグなど気にもかけずに話し始めた。
「役員会で、主人の社長更迭が決定いたしました」
そうですか、おめでとうございます、というのも変な返事なので、剣之助は静かに頭を下げるだけにした。
「乾さんの奇抜な作戦のおかげです。夫にはこれから十分に反省してもらいます。本当にありがとうございました」
乾はただ下を向いていた。
「ところで、あの作戦は本当に噂通りなのですか?あの、女を見受ける代償に主人に3000万円を渡して恥をかかせたとかいう…」
「噂は嘘っぱちですよ。探偵稼業の私が3000万円なんて用意できるはずがないじゃないですか」
瑞穂はしばらく納得がいかないようだったが、紅茶をひと口飲むと、別にどうでもいい、というように、明るい笑顔になった。
「まあ、いいわ」
ロビーのカフェテリアから眺める日本庭園が、昼間の太陽で輝いていた。

「ところで、次の社長さんは、もう決まったのですか?」
「…それが…私になってしまったのです。」
瑞穂は嫌なことを思い出したかのように、顔を曇らせた。
「先代の一人娘が最もふさわしい、と、役員の全員一致の結論でした。まさかの展開です…」
剣之助はますます言葉を詰まらせた。返す言葉が見つからない。
「私、社長なんて嫌です…向いていないのは自分が一番よく知っています。それに社長なんかになったら、忙しくなって…剣之助さんにもなかなか会えなくなってしまう…」

沈黙の後、瑞穂が小さなハンドバッグから、見慣れたものを出した。このホテルの部屋のキーである。そっと剣之助の前に差し出した。
「剣之助さん…」
うつむく瑞穂を後にし、剣之助は部屋のキーをポケットに突っ込んで、エレベーターに向かった。







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白夜

白夜 -hakuya-

Author:白夜 -hakuya-
アマチュア官能小説家


39才男性
都内某所にて
自営業の傍ら
あくまで趣味で
書いています
普段は好感のもてる清潔な
そこそこイケメンです
励みになるので
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